シンクロニシティ


 信じるか信じないか別として共時性(シンクロニシティ)と言うのは存在すると自分は考えている。このところ飲食関係の業務一辺倒の状況が続いている。そんな時、以前お世話になったマカオ人で飲食業をやっている方が『ラーメン屋をやりたいんだけど相談に乗って欲しい』と言ってきた。

 詳細は省くが『そう言う事であれば』と、以前、上海時代に通っていたラーメン屋に電話した。ここの味はほぼ完全に日本の味。最近の傾向として味千の様に現地向けにカスタマイズした味からオリジナルの日系の味への理解がこちらの人の中で深まっていると言う背景があり、やはり海外に出ている会社の方が、海外でのビジネスの進め方の差異も理解できるだろうと判断した上でのコンタクト。

 生憎『オーナーが日本に帰っているので…』との事で連絡先を聞いて日本の本社に電話した。その一方、日本には上海のお店から『こう言う問い合わせがあった』と電話を受けている最中だった(笑)。そこで経緯を話し今回の可能性の打診をした。
 すると社長は「いやー、これは本当に偶然と言うかなんと言うか・・・、実は香港エリアへの進出の可能性を話し合っていたんですよ」と。

なんとも良いタイミング。

 自分が上海時代、一番安心したラーメンの味。真面目なスープ作りをヒシヒシと感じる味の産みの親は、やはりと言うかなんと言うか話のスジが一本通った方だった。そして社長の行っている関連事業のHPを教えてもらいチェックした。『これならできる』と確信した。
 やりたい人が双方共にこのエリアでビジネスを開く事を希望し、一言、二言の会話でこの双方がマッチングされる。これはもうシンクロニシティと言う他無いだろうと思う。探す事も無い。探したのは電話番号くらい。あとは説明不要でモノゴトは進む。

 本来、流れとはこう言うものなのだと思う。ただし長い人生の中でなかなかそうはいかないケースや時期も多い。その時は『何かが違っている』と自分自身に答えを求めれば自ずと道は開けてくる。
 BARの件もそれほど悩まなかった。Motor Sports cafe、Sports Bar.....いくつかのアイデアはあった。しかしピンとこなかった。ちょうどこれから開店するアルゼンチンレストランからの協力要請があり、一緒にやる事になった。そんな時、ピンっと閃くものがあった。双方、別々の機会に話した。それは当然で、双方に説明もしていない状態であり、自分の頭の中で描いていたモノだからだ。つまりはこの段階ではほぼ空想そのものだ。そして機を見て話しをした。片方はすぐに乗ってきたが、片方はちょっと躊躇した。ここで初めて詳細を説明する。その後、数度のMTGを経て双方合意に至った。

 溢れ出るアイデアがある訳ではない。ただ『そこにナニがあるのかを見極める』だけ。大切なのは『今、ここからできる事』を探し当てる事。それが理に叶っていればあとはどんな事でも自動的に回転する。

 自動車関連もやっていない訳ではない(笑)。飲食業が目立ってしまっているだけ。クライアントのリクエストもようやく明確になってきて、いよいよ仕上げの段階に入る。と、同時に次のステップも見えてきた。「俺なんかに頼んで大丈夫?」とちょっと思ったりもするが、頼まれたからには要求以上の回答を引き出さなければならない。

 その方向が正しいかどうかは、自分が関わる周囲が一緒に動き出すかどうかがひとつの目安となる。その動きの根本に一点の曇りも許してはいけない。その根本に関わる人の奥底の一念に自らの虚栄心等を満たそうとするもの、或いは組織を乱そうとするものがあれば徹底的に排除するしかない。また自ずとそう言うものは自分から正体を現す。

 昨夜、とあるドライバーから相談を受けた。詳しくは事が片付いてから紹介するが、まさにその虚栄心、虚言癖の塊のような男が自ら作ったスキームの中で自らが溺れて終わっていく様な光景が見て取れる。

僕は言った。

 『OK、ふたつの道を作るよ。そのドライバー達を連れてきてよ。うちでマネジメントするよ。同時に今の問題は司法に任せた方が良い。そう言う部分に自分が頭を突っ込んであれやこれや、エネルギーを使うだけもったいない。任せる部分は専門家に任せて自分は自分のやるべき事に集中しなよ』
 問題は複雑でも答えはシンプルに出来る。そしてシンプルな回答こそ解決の早い道だと信じる。

 これから2年間で大きなうねりが起こるだろう。簡単な道ではないが、間違えた道でもないので道を見誤らなければ望むゴールへと達成する。そしてその道と歩き方が間違えていなければ、その行進は周囲を良い方向に巻き込んで前進するだろう。

この連帯のうねりがシンクロニシティの法則だと確信し、先人は"諸天善神"と呼んだのだろう。