まったくの偶然だった?CFOの逮捕劇の顛末


 普段、あまり関わりの無い向こう岸の話しとして見ていたHUAWEI社 CFO 孟 晩舟氏の逮捕劇。そもそも一番最初に飛び込んできたニュースはイランへの不正送金の問題だったはず。これが偶発的に発覚したんじゃないか?と言う気がしてならない事案に遭遇した。



華為の孟CFO逮捕、HSBC経由のイラン取引に関連-関係者

逮捕は華為の銀行法違反の有無を巡り米検察が進めている捜査の一環 

トランプ氏は習主席との夕食会前の時点では引き渡しについて知らず
中国のスマートフォンメーカー、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の孟晩舟最高財務責任者(CFO)兼副会長がカナダで逮捕されたことは、米中通商協議が重要な段階に差し掛かる中で中国側の怒りを買った。孟CFOは米国の対イラン制裁に違反した疑いで、米国への引き渡しを求められている。
引用元 Bloomberg News 2018年12月7日 8:19 JST より

 カルロス・ゴーン事件のようにそれと思わせる様な容疑で引っ張っておいて後から本命を…と思っていた。ところがどうも、これ自体が事実だったかな?と言う件に遭遇した。

 今年の春頃から、香港HSBCの口座を保有している方々から口座の凍結や詳細な調査を受けた、等の情報が相次いだ。

 たまたま見つけたツイートだが、つまりこのツイートの真逆で、逮捕に一役買ったのでは無く、パナマ文書以降続いていたHSBCのオフショアへのカネの流れを追っていたらたまたま出てきてしまったのが本当の様だ。

 先に網に掛かったのはZTE。そしてそこを追求していたらZTEの口から思い掛けずHUAWEIの名前が出て、今回の顛末となった模様。


 春先から初夏に掛けてとある通知が日本人HSBC口座保有者の元に届いた。簡単に言うと『今年の10月末までに日本人はHSBCの口座とマイナンバーをキチンと紐付けなさい』と言うものだった。
 これを無視した人、宛名不明でレターが戻って来た人等はバンバン口座の凍結を喰らっている。
 また日本人以外には“Establishing Tax Residency”、つまり“あんたの納税地はどこなのよ?”と言うメールが来ているという情報。

 これらは7月がその期限になっているとの事で、どの位の人がそれに対して対応したのかは不明。
 つまりHSBCはだれこれ構わず米国に言われた通り、顧客の信用情報を総ざらいにし、その過程で色々な事案が出てきてしまった、と言う見方ができる。またそう断定して考えると降って湧いた様な今回の顛末に納得がいくと言うもの。

 トランプ政権にとっては漁夫の利を得たも同然で取り敢えず突破口が出来たってなもんであろう。

 “余計なものがある・無い”に焦点がいってしまっているが、拘束理由はイランへの不正取引き。仮にこれが全部明かされたら中国は国際的にひときわ厳しい状況に追い込まれる事は間違いない。

 この数日、頼まれ事で書類を作っているが、“こんな書類”が必要になるくらい、HSBCは必死に状況整理に追われていると読み取れる。口座保有者では無い。HSBCが追い込まれているのである。
 立場を変えて言えば彼らはもうなりふり構わない状況で情報を開示するであろうし、その煽りを喰らった一般人にしてみたらたまったもんじゃない。

しかし前段で“パナマ文書で…”と書きましたが、案外、このあたりからかもね…
だとしたらアメリカにとっては棚ぼた。
中国にとっては最悪のシナリオです。