困るのは日程なのです

 二ヶ月ほど前、マカオの刑事裁判所でマクラーレン副社長殿の刑事裁判があった。自分は検察側の証人として召喚されて行ったが、何があったか知らないが裁判はそのまま流れた。

 三名ほどの弁護士がバタバタしていて、公判が始まる寸前に法廷に飛び込み、その後30分ほどして裁判の延期が告げられたので、何かがあり、交渉して延期になったのだろうと思う。

マカオの刑事事件を扱う裁判所(中央の白い建物)

 するとよく知っているマカオの記者が声を掛けてきた。

『こんなとこで何しているの?』

と、場所が場所なのでびっくりしていた。呼ばれた経緯、たった今、裁判が延期になった事などを説明した。するとこの事件に興味を持ったらしく、その後もちょくちょく質問してくる様になった。

 この記者は政府に厳しく、反体制ではないが是々非々をはっきりするタイプの人間で、逆にモーターレーシングに関してはど素人で、マカオGPの時はうるさい位に『あれは何だ?これは何だ?』と聞いてくる。

 記者さんは記者さんで自分の仕事だから良いがこっちは損害である。この公判が延期になり、次回の公判は11月のマカオGPのウイークになった。これ、ウチにとっては相当な損害で、オーストラリアのタスマンシリーズに参加する為、11/7日迄に現地の政府指定の隔離施設に入らなければならない。つまりこの裁判所での証人出廷の為、この段階で事実上のアウト。勘弁しろよ。。。

 しかしブツブツ言っていても問題は解決しないので、腹を括る。裁判所にレターを書いて欠席と言う手もあるが、普段、裁判所の通訳の仕事もある事から、やはり義理欠けは出来ない。従って裁判に出席。タスマンは残念ながら欠席し、代理を立てる事にする。

 調べたらどうもタスマンシリーズに参加する初めての日本人の、アジアのチームで歴史的な出来事なのに、自分のチームでありながら立ち会えないと言う。。。仕方ない…諦めよう。。。


デアゴスティーニ