消えた咲洲プロジェクトと別の咲洲プロジェクト



ここまで事実が出てきて、尚且つMBSさんも取り上げてくれたので、そろそろ本質に迫って良いかな?と思っております。


ジャーナリストや他の方とは違った、ある意味、補足的なところ、隙間の部分を辿って検証をしていきたいと思います。
この隙間を責める事こそ、この〝The 便所の落書き Returns〟の使命であると思っております、ハイ!

私が一番気になった部分。
それは先日の港湾委員会の質疑応答で松井が何度も繰り返していた言葉にあります。

『我々がルールとして定めている事は満たしている訳です。満たしていませんか?』

この真面目にやっている方々のやる気を根こそぎ削ぎ落とす様な言葉こそ、今回のこの問題の本質を全て隠していると断言いたします。

この松井の言う大阪市の希望と約束は二点。

  1. 契約した家賃(月額550,001円)が毎月キチンと入る事
  2. 年間に1MWの発電をする事(松井の言葉のまま)

これが大阪市にどれだけのメリットを齎すかを考えてみます。

年間わずか600万円何某のお金と、発電したとこでわずか1MWで、しかもそれも関西電力に売ってしまうだけの発電量。
もちろん大阪は関電の株主ですから、『協力してくれておおきに』はあるでしょうが、そんなのは社交辞令だし、その程度でしかありません。

そこで非常に面白い記事を発見しました。


読んで頂けると分かるのですが、こんな規模では事業者ですら〝儲からない〟のですよ。
大して利益は出ない。
まぁ記事にある様に〝ゴミ〟を〝札〟に変える部分では利益が有ったにせよ、如何せん、それこそ松井の言う様に『小さい事』なのです。

その『小さい事』に随分とツッコミどころ沢山の、言い換えれば自治体として〝危ない橋〟を渡るなぁ、と。どうして〝普通〟に出来なかったのか?と言う問題に行き当たりますが、すでにそれを紐解いて今は記事にする順番を待っているだけなので、そこには触れません。

仮にも二枚の舌を使い
『今は未来の為の実証実験だ!』
等とは、まさか今さら言えますまい。

稼働は2014年から。
今年でもう10年近く経っている。
その間にこの事業が大阪市(含む府)内でどう発展したか?
それがどう拡散していったか?

結論は出ていて、その答えは何もありません。従って大阪の言う目標は、この上記の二点のみであると断定できるし、また松井自身もそう言っている。
そうであるとしたら、随分と小さい目標と要求ですね?と、なる。
そこでどうしても避けては通れないある事業に注目せざるを得ません。

それが元々この咲洲に環境局が主導で行っていた
〝消えた咲洲プロジェクト〟
です。

【咲洲地区スマートコミュニティ実証事業計画】

これを避けては通れないのです。

前回の港湾局の委員会で前田市議が最初の質問で投げつけていた案件です。
初めて聞く人にはちょっと難しかったかな?とも思いながら聞いていました。

要は
  • なぜ環境局で進めていた事業が途中で消えて、港湾局の土地貸しに変わったねん?
  • じゃあ土地貸しに変わったのに、元々の計画にあった太陽光だけが限定で活き残ってるのは何やねん?
と言う太い鋼鉄の様な疑問にぶち当たります。

その環境局が決定し、進めていたのがこの2012年4月3日発行の咲洲地区スマートコミュニティ実証事業計画なのです。



さてこの中で注目したいのはこの赤線で囲った部分です。

担当部局はこちらとの事。


消されてしまうとマズいので、この国会図書館に保存されているページをPDFに、そしてリンク先の大阪市作成の資料をこちらへ保存しておきました。ご自由にお取りください。

太陽光やバイオマス等で発電をし、スマートシティのインフラを作り、その事業モデルを海外へ展開していきましょう、と言う非常に先進的な実証実験であり、事実、この事業は一部がスタートしておりました。

にも関わらず、ある日突然、
  1. 契約した家賃(月額550,001円)が毎月キチンと入る事
  2. 年間に1MWの発電をする事
に変わっていたのです。

元々あったこの【咲洲地区スマートコミュニティ実証事業計画】を〝消えた咲洲プロジェクト〟とするならば、同じ2012年の秋に橋下徹の言う〝副市長案件〟の〝もう一つの咲洲プロジェクト〟が立ち上がったのです。

橋下はここで大きな茶番を仕掛けます。
子飼いの連中に質問をさせて、港湾局がそれについて考えて答えを出すと言う吉本新喜劇も土下座級のお芝居を見せるのです。

 


こうして『事前に話しを通してあった。』『議員から提案があった。』と言う流れに持っていったのでしょう。
しかし無駄です。
残念ですねぇ…実に残念です。

この茶番がH24(2012)年9月28日。
なぜ茶番か?

それは遡る事、9日前のH24(21012)年9月19日の市議会に於いて、橋下市長はこんな発言をします。
但しこれは夢洲の太陽光に関しての話しです。


この夢洲のプロジェクトは前にも書きましたが、前市長時代に作られたキチンとしたプロジェクトです。


そして事業者も身元しっかりとした企業が集まっております。



ジョリー(パスタ?笑)なる人物のnoteにはこの部分、山口氏の発言を『間違いだ!』の材料としてしか解説してないけどね。
       

ここに重要なカードが埋まっている事をスルーしている。

この9/19の市議会での橋下発言から

『以前もうある業者に決めてしまってたので、それをひっくり返すことはできないということを、僕は報告聞きましたから、それだったら、今やもうその業者にしなくても、どこでもみんなが賃料を払ってでもやりたいとかいろいろなことを言ってくる中で、もう既に過去に決まってたからといってその業者にするんだったら、地元還元か何かするような仕組みを考えてよ』

と、橋下が担当者に『決まっている業者をひっくり返せ』と、指示或いは交渉したと断定できる記述があります。
それとも
『そんな風には読み取れない!』
と言い切りますか?
誰がどう読んでも
『いま決まっている業者を変えられないか?』
と折衝した挙句
『無理です』とハッキリ言われ、
『もう既に過去に決まってたからといってその業者にするんだったら、地元還元か何かするような仕組みを考えてよ』(原文ママ)
と言った事が伺えます。
つまり夢洲の上の一覧の業者を外そうとしたんですよね。

なぜ
『外せないか?』
『変えられないか?』
と動いたのでしょうか?
外した後、どうするんですか?
なぜそのままではダメなんですか?

つまり橋下には、これらの決まった業者を外してまで

〝入れたい誰か〟

がいる、と考えるのが自然です。
その〝入れたい誰か〟がいたからこそ、『いま決まっている業者を変えられないか』と折衝した訳です。
違いますか?

『いや、そう言う意味じゃない』
と、否定する向きもあるでしょう。

『最後に橋下さんも言ってるじゃないですか!地元に還元したい!と。』

こう切り返す事が予想できます。

では、

地元還元説

に切り替えて考えてみます。

1.夢洲の事業者を変えられないか?
2.変えられないんなら地元に還元できる仕組みを考えてよ
*これをAとします

と言うリクエストの結果、

a.契約した家賃(月額550,001円)が毎月キチンと入る事
b.年間に1MWの発電をする事
*こちらをBとします

になった訳ですね。

私にはAのリクエストに対し、Bが答えになっているとは思えないのですよ?
そしてこのBが地元の還元になっていると思えないのですよ!
もちろん私の主観ですから
『いいや!誰がどう見ても、最高の地元還元だ!』
と言えばそれまでなのですけどね。
この月額55万何某、年にして6,600,012,円が地元還元と言う解釈で宜しいでしょうか?
 もしこれがその答えであるならば、地元還元の成果がどの程度のものだったか?を報告するなり、なんなり分かりやすく示すべきでしょうね?
或いはその報告書が出ているのであれば、そのページをぜひ教えてください。

それがないのであれば、

地元への還元は無く
入れたい誰がいたから動かした

と断定されても文句は言えますまい。

こうやってソフト麺様でしたっけ?の、おっしゃる通り、議会や委員会、会議の記録を最もらしく並べてみて『こうなんだ!』と言い切るのも結構ですが、そこで『いつ』『どこの』『誰が』『何を』『どう』言っていて、それはつまり『どう言う意味なんだ?』、『それは結果、何を求めているのか?』『結果、どうなった!』まで掘り下げないのはやり方として幼稚ですね。稚拙な印象操作です。

私はかつては文筆業だったので、その言葉を発した方の立場や背景、その時の状況などを加味した上で意味を考えて書きます。
事務職の文章の様な〝起こった事の時系列の羅列〟では無く、言葉でその意味を表現するのが仕事でしたので、どうしても〝発した言葉の意味〟とその言葉が引き寄せた結果を結びつけ、その背景の上に載せて考えます。

この時系列を並べ、一つ一つの意味や言動の背景、その発した人物の心象などを多方面から推察しない浅い考察が、年齢の若さや能力の限界点、または若手の維新関係者らしい浅さだなぁ
(´-`).。oOと思う訳ですよ。

最近の国語力の低下は凄まじいですからね。
私は若い頃、お師匠さんに言われましたよ。
『行間に書いてある見えない文字を読め』
と。
師匠、若干19歳で、かのエンヅォ・フェラーリの下を訪ねて行き、契約をまとめちゃった人ですからね。
会社案内の読み方、ヨーロピアンの考え方、世界の中でのジャパン(&ジャパニーズ)の立ち位置と振る舞い方、ハーフの嘘吐きと無責任等、毎日の様に学びましたから、同じ日本人の件なんて正直チョロいモンです、ハイ!

さて話しを戻しますが、そう言う観点から見た、吐いて口から滝の様にマーライオンなソーメンさんでしたっけ?の細々書いているのって、ハッキリ言って無駄なんですよ。また前記の如く、肝心な部分に突っ込んでいない。

なぜ橋下が以下の言葉を吐いたのか?

本来あれはもうどこでも貸せば、みんな借りたい借りたいという業者が山ほど出てくるんですよ。ただ、以前もうある業者に決めてしまってたので、それをひっくり返すことはできないということを、僕は報告聞きましたから、それだったら、今やもうその業者にしなくても、どこでもみんなが賃料を払ってでもやりたいとかいろいろなことを言ってくる中で、もう既に過去に決まってたからといってその業者にするんだったら、地元還元か何かするような仕組みを考えてよと。
要はあれ、もうかるんですよ。メガソーラーをやればもうかる仕組みになってますその利益をやっぱりそれは地元還元するような仕組みを考えてということを担当部局に今指示を出しています
僕は一般財源から特定の配慮ということではなくて、此花と言うところは環境都市、夢洲・咲洲・舞洲は環境都市、そういう軸でくくっていこうという中で、メガソーラー、一方、これはプラスのある意味環境戦略ですね。
(2012年9月19日、橋下市長発言)

これ、大事な事は
皆んな殺到するって言ってるのに、一つしか来なかった
と言うところに目をやったらダメなんです。
それは瑣末な話し。
だからそこ(下線部)は頭から外してください。

それよりも大事な事は文字の部分と文字の部分です。

文字の部分は〝やりたい人がいた〟と言う事。
文字の部分は〝環境局単独で既に計画は存在していて少しずつ取り掛かっていた(2012/4/3発表)〟と言う事実。

この計画はあくまでも環境局が単独であり、港湾局は入っておらず、太陽光も含まれており、早い話しは、夢洲がどうにもならなかったので、まだ着手していなかった咲洲の計画の一部を剥ぎ取って港湾局に渡して実行した。
子分に質問させて『あーそれ良いね!』と三文芝居の果てに決めた。


前の記事にも書きましたが時系列をもう一度記します。

H24(2012)年
  • 9/19        橋下市長発言
  • 9/28末〜10中旬 質疑応答 ー 山口氏の記事をご参照
  • 10/10        副市長会議/毎日新聞にメガソーラーの計画掲載*
  • 10/24      伸和工業が太陽光ビジネス業務を同社に加える
  • 11/ 8       伸和工業、太陽光ビジネスが謄本に載る
  • 11/16      咲洲メガソーラー実施要項配布
  • 11/25      入札開始
  • 12/26      伸和工業に決定/契約

ゲロうどん氏のnoteはこの二〜三番目の部分を延々と表記しているのですよ。さらにこの対象エリアがまるで計画の無い空き地、役所用語で〝有休地〟と表現していますよね?


ところがそうではありません。
ここは有休地では無いのです。
H22(2010)年5月の段階でキチンとした緑地整備事業として計画に収められており、この資料の段階で未整備地区ながら、計画の中にキチンと収められております。


そしてこの緑地計画こそ、港湾局の事業として
【咲洲海浜緑地整備事業】
の名の下、H23(2011)年11月15日に大阪市より案内されております。


さてここで時系列を整理しましょう。
つまり咲洲メガソーラーのある場所は、

  • H23(2011)年11月15日 港湾局/緑地整備事業計画地
  • H24(2012)年  4月  3日   環境局/咲洲地区スマートコミュニティ実証事業計画

と言う計画の下にあった事は間違いの無い事実でありますが、H24(2012)年1〜9月の間に、この様に決まっていた事業が突然ひっくり返ります。つまり前年の暮れに市長になった橋下徹の手によって徐々にひっくり返されていくのです。

肛門から麺が一本そのまんま出てますよさんでしたっけ?は、いかにも委員会や議会で話し合って、練りに練って現状に至ったかを作っていますが、そこには大きな穴が空いているのです。

  • 既に国からも予算が確定して一部、事業が進んでいた緑地整備事業はどうなりましたか?
  • 環境局が進めてきた咲洲地区マートコミュニティ実証事業計画の太陽光事業はどうなりましたか?
  • そしてなぜ太陽光事業を環境局から港湾局に移したのですか?
  • そこは有休地で港湾局が管理していた?あれ?咲洲地区マートコミュニティ実証事業計画では環境局の単独で太陽光が計画されてましたよ?
  • 橋下徹が夢島の事業者を潰そうとして失敗し、已む無く咲洲に移し、地元に還元する太陽光事業は一体どれの事ですか?今の上海電力の事業ですか?
これらがクリアにならないと、橋下はちゃんとしていたとはならないべ?

これからメディアが
  1. どうして入札を急いだか?
  2. なぜあの無理なスケジュールで事を動かしたのか?
  3. なぜ上海電力が後から来たのか?

などをキチンとした証言を持って明らかにしていくでしょう。

〝消えた咲洲プロジェクト〟と〝別の咲洲プロジェクト〟
そのクロスポイントに要点が秘められており、そしてそのクロスポイントから上海電力が参入したスケジュールに、全部の答えが詰まっております。
それらはまた各メディアでご確認ください。


最後に非常に気になる考察があるので、ここにリンクを貼っておきます。