日本IR法 いまだに大穴に気が付かない日本政府に関係者たち



日本はカジノに関する法が出来たばかりで、これからカジノが始まると言うのに、既にギャンブル依存症が多く存在すると言う不思議な国だ。何でもかんでもグレーゾーンにしてきたツケが大きいが、ロクに対策せず、そのまま放置。こう言うところを一流のIR事業者は顔を顰める。

以前に書いたこのPOSTの意味を日本人はほとんど分かっていない。


Sandsの元役員の言葉だが、彼は現役当時に「Sandsが日本に行かないことを決めた」事に賛同した一人だ。
その理由の中にはっきりとこう述べている。
「日本自体を辞めたのは法律の未整備が理由だ。」

法律の未整備?
日本政府のIR関係者などは「何を言ってんだ?ちゃんと法律を作ったぞ」と机を叩いて怒りそうだ。
しかし私もずっと
「日本のIR法は土手っ腹にどでかい穴が空いている」
と言い続けている。
しかしその意味が少しも理解できていない。
これは反対派の方も同じ。

この〝土手っ腹の穴〟とは何か?

それは〝カジノ依存症に最も密接に関わっている部分〟に関する法律の建て付けの問題である。

日本のIR法はカジノに関する規定の根幹として設定されているのは、「IR全体の面積の3%以下にカジノを設置する」事である。これを逆手に取ったのが大阪IRである。

スロットマシン6,000台

この世界のカジノでも類を見ない巨大パチスロ屋の様な有様。
本来カジノはスロットマシンではなく、テーブルが主だ。テーブルが主だからこそ、雇用が生まれる。
スロットが主ではスロットメーカー派遣の技術者とパチンコホールと同等のスタッフの雇用しか生まれない。

「どの国だってスロットマシンがたくさん置いてあるだろ!」
と騒ぐイシンジャーも想像できるが、今までの彼らの主張を見ていると、そもそもカジノを経験していると言う印象を受けない。ましてカジノビジネスに関わっていた!なんてのは皆無だろう。もっともイシンジャーは統一教会の信者がそのほとんとだと言うのも判明していることから、お布施に追いかけ回されていて、海外旅行を楽しみカジノで遊ぶ余裕もないか。

さて話しを元に戻す。

例えばマカオのカジノ。
世界一の売り上げを誇るマカオのカジノのテーブルと機械の台数である。


上の賭枱はテーブル。下の博彩機はスロットを含むゲーミング機械である。
ゲーミング機械は単純にスロットだけではなく、他にもルーレット・競馬ゲームや大小の機械版、バカラ・ブラックジャックなどあらゆるゲーミングが含まれる。
この数字の台数が大小30ものカジノに割り当てられている。

例えばこれはWynnの報告書である。
 

ここにこう言う記述がある。

  • ウインパレス:
    • 1,035台角子機(其中676台目前投入使用)
  • ウインマカオ:
    • 818台角子機(其中583台目前投入使用)
*角子機はスロットマシンの中国語

例えばパレスの場合、1,035台の枠があり、そのうち676台を使用している、と読む。マカオサイドのウインは818台の枠で583台を使用と言う事。

「枠?」「割り当て?」

そう、テーブルや機械は「割り当てられている」のだ。
意味が分かりますか?
「割り当てられている」
と言う意味。

つまり誰かが〝機械の数〟の総量を持っていて、そのうち「どこに何台」の「設置許可を与える」と言うシステムなのです。

その「誰」かは「誰?」

政府です。

つまり機械の台数の総量と権限は政府が持っていて、各カジノオーペレーターはその割り当ての枠をもらい、その割り当て数の中で「何台設置するのか?」を決めます。

なぜそう言う事をするのか?

これは大きな理由の一つに「依存症対策」によるものです。

依存症は各国のカジノ観察委員会の専門部署で依存症の割合の数字を持っています。
「割合い」と言うからには分母があっての分子(依存症例)です。その分母の基礎となる数字は何か?それが〝テーブル〟と〝機械〟の総量なのです。

この分母と分子を政府専門部署が握り、各カジノオペレーターに振り分けるからこそ分母を把握し、ついては分子を予測できるのです。
ここが予測できるからこそ、持っているデータに沿って依存症の発症率を正確に予測し、依存症対策の予算を立てられます。

が、ですよ?

総面積の3%がカジノ。テーブル、機械を何台置くかは各オペレーターに任せる!では、カジノ推進派の国会も含め「依存症の発症率は◯パーセントだ!」の分母が無いのにどうやって数字を出しているんですか?
結果、大阪IRの様にスロット6,000台!となった時、依存症を算出する場合の分母が大きく上振れしますから、予測できる依存症の発症率は当然、参考にならず大きく変わりますよね?と言う話しに繋がるはずが、繋がっていない。

と、なるとこの「日本国でカジノを利権を持っている政党」と吹聴してマカオのカジノオペレーターを騙していた維新様の〝ギャンブル依存症対策の基金設立へ カジノ誘致の大阪で維新が提案〟とは、一体全体、

  • 分母が何で依存症係数はどこのデーターで
  • その数値はそのまま大阪IRに当てはめる事ができて
  • 故に正確な数値を割り出す事ができる

とはならないでしょう。

こう言う計算ができないからこそ、道路工事でも水道工事でも埋め立て工事でも後から後からカネが足りないと、貴重な財源をドンドン突っ込むハメになるんですよ。維新連中の次から次へと見積もりのアテが外れるのは、こう言う事なのですよ。

またこの「割り当て」の数字が出てこないと、カジノ各オペレーターも「売り上げ」が読めない。
なぜか?
カジノの機械はカジノマシンの検査機構で厳しい検査を受けていて、確率は全て弾き出されている。テーブルでの勝ち負けもほぼデーターは出ている(マグレはたまにあるが)。

いつだったかTwitterで「カジノって売り上げとかの数字が読めるんだ!」と驚いていた方がいたが、実は普通の商売より売上げも利益も読みやすいビジネスと言える。
カジノの売り上げ予測の立てやすさは、自動車メーカーが新車を企画し、デザイン、製造して販売するより簡単でリスクが少ないですよ。集客だけ出来ちゃえば後は係数に載って実際の数字(カネ)が生まれるのがカジノであり、その集客の幅を広げる為のスパイスがMICE(ホテルやショッピングモール、会議場など)なのです。

どこかの知能指数の低いお猿さんが「MICEの売り上げガー!」と言っておりましたが、きっと普段からカレーのスパイスやターメリックなどの粉だけを直接パフパフ食べているんでしょう。ドリフのコントみたいな話しです。
そのうちクシャミして全部吹き飛びます( >д<)、;'.・ エフシッ

世界一のIRの経営陣が残した言葉。
これをもう少し、噛み砕いて理解し、日本政府もカジノ法を追加するなり、見直した方がより良い発展に繋がりますよ。