エンヅォとフェルッチオ @Twitter社の変化に見る言論のマジック


スーパーカー世代で育った自分は、子供の頃からランボルギーニ社(アウトモビリ・ランボルギーニ)ができた逸話に胸を躍らされていた。

曰く、事業で成功したフェルッチオ・ランボルギーニがフェラーリを購入。しかしせっかく手に入れたフェラーリにいくつかの不具合があり、それに不満を思ったフェルッチオはフェラーリ社を訪問。エンヅォに面会を求めるも拒まれた。その態度に怒ったフェルッチオは自分でクルマを作る事を決意。フェラーリを超えるスーパーカーメーカーとしてアウトモビリ・ランボルギーニは立ち上がった。
まぁ小学生の自分じゃなくとも、日本人ならコロッと騙されそうなストーリーだ。

これをバッサリと斬って捨ててくれたのが福野礼一郎の名著〝スーパーカー型録〟(絶盤)だ。いまやヤフオクかメルカリを血眼になって探さないと見付けることができないくらい貴重な本になってしまったが、ランボルギーニの逸話や、デ・トマゾのハナシは読んでいて背筋がゾッとする内容だったりした。



若きデ・トマゾの創業者、アレッサンドロ・デ・トマゾが留学先で知り合った人物がエルネスト・ゲバラであったり、のちの自動車メーカーのデ・トマゾ社を立ち上げてからのロゴマークに、古代エジプトの女神イシスを用い、アレッサンドロ自身を冥界の王オシリスに例えて説明(近親相姦に当たる)。イタリアと言うローマカソリックの影響の強い社会に対し、異教徒である事を殊更強調したり、資本主義社会への復讐を常に匂わせる流れはいまだに強い興味を捨てきれない自分がいる。

またデ・トマゾは若き頃の後のマセラッティの創業家となるオルシ家とその兄弟を守り、いまへと続くマセラッティのブランドを保ち続けたそのくだりも非常に興味深い。

話しを戻す。
福野氏はフェルッチオがアウトモビリ・ランボルギーニを立ち上げる動機には、ライバルだとか面会を断られたとか、そんな些末な理由ではないと断言している。

FOX STORE

フェルッチオは自社のトラクターで使う部品と、フェラーリで使っている部品にかなりの共通部品がある事に気がついた。自分のところは部品メーカーから仕入れた部品に僅かな利益を載せて顧客に売っているのに対し、フェラーリのそれは中身は同じでもフェラーリのロゴの入った箱に詰め替えて何十倍の値段で売れる。たったそれだけ(箱の詰め替え)の事で、何十倍にでも利益を取れる。ビジネスマンであれば、ここに興味を持たない者はいないだろう、と言う仮説を立てる。

自分もそれに強く同意する。
日本人は〝私財を投げ打って〟や〝ずっと赤字だった〟が、続けた、と言う説話が大好きである。もし本当にそんな状態で長く続ける人間がいたとしたら、その人は経営者としてダメな人間だ。


私がこの様に言い出すと「いや、あれはポケットマネーだから」と返す刀の定型文が飛んでくる。しかしその言葉を返す方こそ、ビジネスや税制を知らない人だと断言する。

なぜなら億単位でポケットマネーを出し続け、またその下にそれで食っている人達がいるその集まりが法人であるのなら、税務署から法人化するなり、なんなりしろと必ず指導が入る。世の金を巡る動きとはそう言うものだ。

また個人であろうが法人であろうが、ある一定期間を過ぎたら、回収モードに入らなければおかしい。回収した上での赤字ならそれはそれでまだ継続の道筋は立つ。事実、Twitter社はそうして来たのだから。

従ってこのダニエルさんの言う通り、
 

仮にM&Aの問題であるとしたら、非常に大きな問題である。また『ポケットマネーでやってきた』のであれば、親会社のM&Aなんて関係無い。
しかし私が聞いた話しだと、そうではない。

今年の夏から辞めることを決め、売り先を含め色々と整理をしていた、と言う。〝夏〟と聞いて勘ピューターが動いた。いまになって考えたら、もしかしたら官房機密費でも出てたかな?と思う。そしてあの事件で打ち切られた。これ以上、自腹も切れない。なので辞める。
それはそれでいいじゃないか。

赤字をそのまま垂れ流す人じゃないと言う事は、自分は随分前から聞いていた。なぜなら私の一番親しい映画監督の作品の出資者。それがその虎ノ門ニュースの出資者と同一人物だからだ。

Twitterも不思議だ。
右にも左にもブレない人間が来たら、なぜか左巻きの汚い情報が一気に消えたでしょ?

 


返す言葉は見当たらない。


最後に。
私はテスラと言うクルマは嫌いだが、イーロン・マスクと言うユニークな経営者には非常に強い興味を覚える。

中国での販売網で非常に善戦している。しかし親中・媚中か?と問われれば、不思議と些かの疑問符がつく。〝中国ガー〟にしてみたら、中国に工場がある会社やその経営者は『ご愁傷様』だそうだ。
ならばいまあなたが箸やフォークで口へ運んでいるもので、100%中国が関係していないモノがあったら是非教えて欲しい。

師匠と初めて電話で話した時、マカオと香港に起こった政治的問題のその解決方法に雲泥の差がある事を知り、かなり驚かれていた。その流れで師匠の口から出た言葉が非常に印象的だった。「もしかしたらマカオのその政治姿勢にこそ、将来、共産国と上手くやっていくヒントがあるのかもしれない」

私も常々そう思っている。また家内に言わせると、北京は死んでもマカオを攻めれないのだという。「あの無数にあるアソシエーションの数を見たら分かるでしょ?」これを聞いてピンと来る日本人は皆無だろう。いまはまだ伝えるタイミングでは無いと思うので、敢えて言及はしない。

何でも同じだが、表に見える美しい話こそ、裏はドロドロであると言う事を忘れてはいけない。
賢い経営者はすぐに気が付く。
誰が自分の財布に寄生する寄生虫かを。
一つのプロジェクトが終わった瞬間、すぐに次のプロジェクトを始める連中が必ずいる。その人達は常に誰かの血(カネ)を吸い続けないと死んでしまうマダニだ。そう言う人たちに限って「スポンサー募集」と軽く言う。賢い経営者はそう言う人たちの〝コジキ性〟を良く見ている事を付け加えておく。


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